早稲田戦 ‐ ここまできたら行くしかない
全勝同士で迎えた最終日の早稲田戦。この試合に勝った方が優勝。
直接対決で勝利しながらも優勝を奪われてきた、そんな4年間の決着をつける最高の舞台が整った。
「どの試合も、とにかく気持ちで負けないように自分たちのプレーをしようと話していた」(馬上)
「『早稲田に勝ったら優勝』というのはみんなわかっていたが、あまり優勝は意識しないようにした。
早稲田との1戦、集中してコートに入ろうと思っていた。」(神)
トップはこの日も馬上。
このリーグ、自ら志願して4試合でトップに立ち、各校のエースとの対決に臨んだ。
 
「なかなか勝てなくて、チームのみんなに申し訳ないのと、悔しい気持ちでいっぱいだったが、
キャプテンとしてみんなの気持ちを少しでも盛り上げられるよう、とにかく必死にやろうと思っていた」(馬上)
分の悪い関谷に積極的に挑む。好ゲームだったが、後半は関谷ペース。
エース対決に敗れた青学を救ったのは、この日も一年生の本間。
相手は単複で早大躍進の原動力となっている伸び盛りの永野。
「次につながるプレーをしようと心がけた」(本間)と積極的に攻めて第1ゲームを競り勝つ。
 
第2ゲーム、丁寧なラリーときれいなネットプレーで一気に崩してくる永野に、本間のミスが増える。
ファイナルも永野ペース。中盤では大きく離されるが、ここから本間が集中力を発揮。
ミスが減り徐々に差を詰める。永野が先に王手をかけるも、落ち着いたラリーですぐに同点。
逆にネットインで一本狙って来た永野のミスがでる。
「もっと内容が良いプレーをしたかったが、腰がうまく回らず、ミスを連発してしまった。
永野さんにマッチを先に握られたが、相手のネットインがない限り、挽回できると思っていた」(本間)
その言葉通り、冷静にラリーをつなげて永野のミスを誘い、大きな大きな一勝。
 
そして第1複。神・中原と金森・木村のエース対決。
「早稲田のペアには一回勝っていたので、前回のように先にあげず、
二人で打ち込んでペースを作っていこうと話合っていた。」(中原)

第2単・永野の敗退に奮い立ったのは早大ペア。
出だしから金森が猛然と前を押さえ、抜けた羽は木村が飛び込んでくる。
ドライブ戦を無理やり沈められ、早い攻撃が持ち味の青学ペアも防戦一方。
第2ゲーム後半は青学ペアの攻撃が増えるが、追い上げ届かずストレート負け。
これで流れは早稲田。青学は好調の三輪・馬上に望みを託す。
「最終戦までのチーム状況や試合からして、気持ちは自然と強気で前向きだったので、不安や
下向きな気持ちはなかった。やるしかない、自分の仕事をしようと、とにかく集中して臨んだ。」(三輪)
第1ゲームは完全に永野・佐々木。佐々木の前衛が冴え、青学ペアはレシーブ一辺倒。
「1ゲーム目は相手に押されてしまったが、2ゲーム目に入る前に馬上と、もう1度集中し直し、
自分たちのプレーをしようと、思い切ってやった。」(三輪)

と、うまく三輪が前で攻撃のきっかけを作る。そして運命のファイナルへ。
しかし再び攻められ早大ペース。終盤まで大きくリードを許す。
「今思い返してみるととても落ち着いてプレーできていたと思う。勝ちたいという気持ちも当然あったが、
とにかく強気で自分達のプレーをしてれば大丈夫、と言い聞かせていた。」(馬上)
「ファイナルは最後苦しい展開だったが、気持ちと集中力だけは切らさず
ひたすら前をむいて強気でむかっていった。」(三輪)

我慢のレシーブで崩し、絶体絶命のマッチポイントを凌ぎ、ついに同点。
静まりかえる会場の一角で、互いにマッチポイントを握り合いながら、決め手を欠き、ゲームは未踏の領域へ。
練り上げるように集中力と冷静さを増す青学ペアに対して、早大ペアはレシーブで振られて焦りが見える。
28-28。ここから抜け出したのは青学。
「最後は冷静になって2本決めることができた。」(三輪)

と後衛の永野を左右に振って押し切った。30−28。何という劇的な逆転勝ち。
「第2ダブルスで馬上先輩と三輪先輩が本当にギリギリの精神力の勝負の中で、
次の最終単につながるとてもいい勝ち方をしてくれて、優勝への流れを作ってくれたあとだったので、
ここまできたらいくしかないという気持ちで、神先輩を信じて応援していた。」(米川)
そして三度、神の最終単。相手の金森には高校時代から一度も勝ったことがない。
「自分が負けたらチームは負け、優勝はなくなる。それだけは絶対に嫌だった。
第2ダブルスの馬上・三輪がファイナルセッティングで競って競っての劇的な勝利をしてくれて、
本当に感動した。これでチームは盛り上がっていたし、コートには入りやすく、気持ち良くプレーできた。
馬上と三輪のダブルスのおかげです。」(神)

「自分はもう信じきっていたので、一緒にプレーしているような気持ちで応援していた」(馬上)
「絶対勝ってくれると信じていたので、あとはゆかりが思いっきりプレーできるよう、
後押ししようと思って応援した。」(三輪)
「神先輩なら絶対勝ってくれると信じて応援した」(青木)
「連戦で疲労もたまっていたので、周りの応援で絶対相手に負けないくらい、
必死に選手と一体になって応援した。」(中原)

第2複の劇的展開、連日の神の逆転劇に、会場の誰もが青学の勝利を確信していたに違いない。
そして神は強かった。力強いラリーで序盤から金森を圧倒。全身から自信が溢れる。
「もちろん絶対勝って欲しいという気持ちで応援していた。
対専修大、対日体大でも最終単で勝ってくれた神先輩だから、必ず勝つと信じてはいたが、
2ゲーム目を取られた時は本当にドキドキした。でも3ゲーム目はきっちり取ってくれて
自分は本当にすごい先輩達に恵まれているんだなと思った。」(川口)
金森もただでは終わらない。神のスマッシュをカウンターで狙い撃ち、第2ゲームを逆転。
「早稲田に気迫が感じられなかったので優勝できると思っていた」(本間)
 
ファイナル、再び神の得意なラリー戦。中盤で一気に5点差とリードを広げる。
「もう大丈夫」スタンドから声援を送る久家あす加が確信する。
「青学優勝するってさ!神ゆかりがやるってさ!」男子の大声援に神が加速する。
徐々にその時が近づき、ベンチとスタンドは最高潮に。
金森の最後のリターンが描く、アウトの放物線を確信すると、神は「よし!」と拳を握り締めた。

4年8シーズンぶり、4年生にとっては初となる優勝。

「頭が真っ白で、優勝という実感がわかなかった。でもとにかく嬉しくて、みんなで泣きまくった。」(神)
「何も考えられなかった。少したってからほんとに勝ったんだなと実感したし、
周りの方々に感謝の気持ちでいっぱいになった」(馬上)
「うまく言葉にできないが、とにかく『嬉しい・最高・感謝』という感じだった。
一寸木監督が何度も握手してくれたり、上から応援してくださったOBOGの方々まで一緒に泣いて
喜んでくれるのを見て、本当に感謝の気持ちでいっぱいだった。
また、1年の時から主力としてチームをひっぱってくれた神と馬上に、
最後のリーグで優勝をみんなで贈れたこともとても嬉しく思う。」(三輪)

「びっくり!の一言」(青木)
「本当によかったぁ、という感じ。」(米川)
「正直信じられない気持ちでいっぱいだった。優勝を信じて応援していましたが、
どの試合も本当にギリギリで、手に汗握るものばかりで、緊張の連続の5日間だった。
でもこんなすごい試合を見せてくれたレギュラーのみなさんに本当に感謝したいと思う。」(川口)
「自分が試合を落とした所を先輩がカバーしてくれたので、本当にありがとうございますと
感謝の気持ちでいっぱいだった。」(中原)
「ほっとした」(本間)
神は3年前の春、初のリーグ戦で新人賞を受賞、そして今回、最後に最優秀選手賞を受賞。
 
(右写真:2004年春季リーグ戦、新人賞の神、同じく新人賞の松本、MVPの諸多と共に)
「新人賞は入学して初めてのリーグ戦だったし、もう勢いだけだった。ダブルスではとにかく打って、
シングルは拾いまくる、といった感じだった。今回のリーグは総合力で勝ったと思う。
誰かが負けたら誰かがカバーする。そういう連携が取れていたから優勝できたんだと思う。
チーム全員がMVPだと思っている。」(神)
初めて手にした優勝旗。そして一月後にはすぐにインカレ。

「今回の優勝は、私たちはの力だけでなく本当に多くの方々が支えてくださった結果だと
女子部員一同感じています。本当にありがとうございました。
これからも応援してくださる方々に感動していただけるよう、最後まで必死で頑張ります。
インカレではまた挑戦者の気持ちでひとつひとつ戦っていきたいと思います。」(馬上)
「インカレ優勝です。リーグ戦はインカレで優勝するための過程です。チームの最終目標は
インカレ優勝なのでもう一回気合いを入れ直して、インカレに臨みたいと思います。」(神)
「次はもちろん、インカレ優勝目指して、もう1度気をひきしめて頑張ります。
リーグで全勝優勝できたことは、それぞれ自信になったと思うので、
最後の大会、最高のプレーをしたいです。」(三輪)
「これからも頑張りますので応援よろしくお願いします!」(青木)
「個人的には、特に専修大戦の最終単での勝利が決まった瞬間が、とても印象的で、
感動しすぎて気づいたら涙がでてきていました。選手のみなさんにお礼を言いたいくらい、
団体戦のよさを実感することができたリーグ戦でした。」(米川)
「今回のリーグ戦は本当に色んなことを学ばせてもらった試合でした。またすぐにインカレがあるので、
自分にできることでしっかりチームをサポートしていきたいと思います!」(川口)
「もう一度インカレでこのような思いがしたいです。」(中原)
「次インカレに向けて頑張ります!!ありがとうございました!」(本間)
混戦の2007大学女子バドミントン、最後に笑うのは誰か。
インカレもご声援宜しくお願いいたします。
(取材・構成 上角友記、 協力 青山スポーツ)
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